Nain / ナイン

ナインは、主要産地の中ではクムに次ぐ新興の街です。しかし、ナインの緞通へのアプローチは、クムのそれとは全く性格を異にします。初期においては隣のイスファハンの職人の指導を受けたため、デザインはパルメットつる草文様や樹木・動物文様など正統派好みの古典的なものが多いです。ナイン緞通の特徴は、何といってもその抑制された配色にあり、濃紺・ベージュ・クリーム色など、使われる色彩は限られています。白の部分には絹糸を用いてアクセントをつける場合が良くありますが、これが過剰になると煩瑣な印象を与えるので、その加減に注意せねばなりません。最初の十数年は特に高級品を目指すということはありませんでしたが、第二次世界大戦の前あたりから、他に例を見ないほど織りの細かい作品を織るようになり、大先輩のイスファハンの顔色なからしめました。ナインの緞通は、他の産地に比べて品質が均等で、そのためヨーロッパでも高価な緞通というイメージが浸透しています。