Kashan / カシャーン

テヘランから南へ250㎞。イラン高原の乾燥地帯に位置するカシャーンは、農業・牧畜業を営むことが困難だったため、古くから工芸の街として発展しました。絨毯はもとより、陶器、タイル、ビロード、ダマスク織りの産地としても、広くその名を知られています。ペルシャ絨毯の黄金期であったサファビー王朝の時代に多くの傑作がこの地で作られ、その伝統は今日まで受け継がれています。保守的で禁欲的なカシャーン住民の気質は、絨毯づくりの上にも反映され、奇をてらった文様や外国人の嗜好におもねるような図柄はなく、均衡のとれたオーソドックスな手法が中心となっています。